ピアニスト清塚信也(きよづか しんや)さんは、最近ピアノ演奏の番組のみならず、歌番組の審査員などTVでの活動の幅が広がっています。
バラエティー番組でもよく見かけるようになりました。
最近、「マツコの知らない世界」、「しゃべくり007」を見ましたが、プロのお笑い芸人顔負けのトークが爆裂でかなり面白かったです。
話芸も洗練されてきた感じがしました。番組内でトークのみということはなく、必ずピアノを弾かれますし、例えそれがキーボードでも喜んで弾かれますので好感度も上がり、異色のキャラに注目が集まっていますね。
清塚さんは、元々お笑い芸人をかなりリスペクトしておられます。
ダウンタウンさんをはじめ、東野さん、マツコデラックスさんなどの、間を外さず話を繋ぐタイミングなどを高く評価しており、共に時間の勝負であるピアノ演奏と通じるものが多いと彼らを絶賛しています。
また日本のお笑いのレベルの高さは、世界でもトップであるとまで言われており、お笑いやトークを真摯に学んでいるところに頭が下がります。
元々人と繋がるのが好きだったと語る清塚さん、20代後半までずっとピアノと閉じこもっていたとも語っておられ、現在は一番バランスが取れているのかもしれません。
人を笑わせるというのは元々のセンスも大切といわれますが、かなり修練の積み重ねだと思いますので、清塚さんは芸人さんに自身と同じ訓練と修練の賜物を見たのですね。
ところで清塚さん、幼いころからのピアノの英才教育は半端なく厳しかったようです。
時折,ご自身のお母さまネタで当時を振り返り笑いを取っていますが、マジで「笑うな」とか「寝るな」とか母親から言われたら逆切れしますが、それに耐えられた清塚さんはかなり非凡な方だと思います。
ご自身が幼いながら決めた事のようで、やはりかなりの才能があったと思われます。
幼少期から小学生の頃は、その重圧に周りも耐え切れず辞める方も多いと、私の知人のピアニストから聞きました。
ところで、清塚さんは大のゲーム好きでも知られています。
厳しいピアノのレッスンの合間、母親の目を盗んでは、ゲームをしていたようです。
息抜きをお姉さんに見張ってもらってしていたと、当時の可愛らしいエピソードも話されていますね。
ちなみに私の知人のピアニストは女性ですが、かなりの蛮族といえます。
そしてまた清塚さん、大のロック好きでもあります。
「いい人の音楽なんてつまらない」と彼なりのポリシーを述べていますが、一匹狼として生きていく覚悟の表れでかっこいいですね。
ベートーベンとロックの関係を述べているので、そんなコンサートがあれば聞きに行きたいと思っています。
今では天才イケメンピアニストと評され、数々のお仕事をこなされていますが、 クラシック畑の清塚さんにはTV 番組にでるまでには実は大きなご自身の転換期があったのです。
TV番組「アナザースカイ」で清塚さんは、この転換期について赤裸々に語っています。
「アナザースカイ」では、清塚さんが13年ぶりにポーランドを訪れるところから始まります。
そこは音楽人生を変えた場所と言われていました。
20代清塚さんは、このポーランドでの5年に1度のショパン国際コンクールに挑戦します。
結果は本選80人枠に残ることを有力視されながらも、予想外の残念な結果だったのです。
有力視されポーランドに短期留学までして、この時まで自分には小さい時から英才教育を受け、ピアノだけが人生にあったと語っていました。
ピアノ、バイオリンは、厳しい早期英才教育での結果を、コンクールという登竜門にて試します。
コンクールを重要視しない音楽家も多いのですが、しかし登竜門のコンクールは多くの若手音楽家の避けては通れないものなのです。
ショパン国際コンクールは、上位3名以外でも、入選を果たせばプロのピアノ演奏家のスタートがきりやすいということもあります。
コンクール後、清塚さんは例えていうと大きな崖から一度落ちたように、全ての目の前の景色が変わるという転機を迎えます。
でもその後、ピンチをチャンスに変えられた凄いパッションの持ち主であったことは確かで、現在の活躍を見れば明白ではないでしょうか。
ショパンコンクール以後は、コンクール挑戦を一切辞めたそうです。
この時の苦悩を清塚さんは、番組で語っています。
「挫折を味わうことより辛かったのは、ピアノによる自己表現まで否定されたような自らの妄想がすごくて、ショパンやピアノまでもが嫌いになったことだった」と当時を振り返りおっしゃっていました。
そのショックを大きく救った言葉として、当時のポーランドのピアノの恩師ハリーナ氏の言葉が紹介されており、清塚さんは恩師の愛により表現者としての自分を取り戻したのです。
その後、清塚さんは求められればどこへでも赴くピアニストとして、自らを売り出して行くことを決心したと語っています。
生きていく為のピアニストとして、第二の人生が始まったそうです。
「あの人のピアノが聞きたいと人に言われることの本当の意味を知りました」と
「アナザースカイ」」のなかでポーランド時代から、これまでの10数年を振り返り感慨深く話されていました。
どんな業界も腕一本で勝負する生き方を選択されるのは大変ですね。
私は、年代こそ違いますが、音大声楽科卒として、天才と評されたピアニスト、オペラ歌手その少し下のレベルの音楽家達の悲喜こもごもの人生を見聞きしただけにこの番組は、涙なくして見れませんでした。
そして現在清塚さんは、ご自身に正直なピアニストとして、クラシックのみならず幅広いジャンルで仕事をされています。
しかしピアノのテクニックの維持を考えると、よく現在のハードワークをこなせるとただ感動しています。
これまで培われたテクニックが確かなものなのでしょうね。
現役ピアニストを維持するのは、腱鞘炎(けんしょうえん)一つ起こせないのです。
クラシックをもっと皆さんにわかるようにと、バイオリニスト高嶋ちさ子さん、葉加瀬太郎さんも活躍されていますが、あるレベルのテクニックがないと演奏家にはなれないのです。
最近ではNHKの「CLASSICTV」という番組を通して、クラシックビギナーへのアプローチを狙うというお仕事もされています。
ピアノ以外の芸が上手な清塚さんならではの注目を集めています。
でも少し前のNHK「らららクラシック」では型にはまった貴公子ピアニスト、少々近寄りがたかったですよね。でもここが彼の原点です。
私はこの番組でショパンを弾いて頂けた清塚さんが個人的には好きです。
やはりショパンの演奏が本当にあっています
でもこのようなゲストとしてのピアニストのお仕事以外も勢力的にこなしていて、最近はタレント性も自然で本当にTVに必要なキャラクターに変身されびっくりです。
個人的には活躍が楽しみです。
TV等を通してマルチなタレントを要求され、それに耐えれるだけの彼の中の引き出しが多かったことに驚くと同時に、今後どれだけ創造的な仕事を見られるかと思うとワクワクします。
最近音楽番組以外に、出演番組が増えたことの背景には清塚さんの努力と才能以外に過去からの再起があったことを知り大変感動しました。
ピアニスト清塚氏、ニューアルバム「SEEDING」で初のバンド曲に挑み、ゲーム実況者TEAM2Broのナレーション入りのインスト音楽が画期的!
さて、このインスト音楽ですが、インストとは、楽器という意味です。
清塚さんは、ヴォーカルのない音楽をセッッションするバンドを結成されたのです。
10年前からずっと温めていたようです。
清塚さんは「ベートーヴェンが今生きていたら、絶対にロックをやっていたと思う」とおっしゃっています。
ロックを感じない私には、はじめ何のことだろうと思いました。
でも、「SEEDING 」の中のベートーヴェンを敬愛する曲を、私のロック好きの息子に聞かせました。
ベートーヴェンの激しいピアノ曲聞かせてと言われ、ユーチューブで聞かすと、共通するのがわかるよ!といわれてしまいました。
全くついていけず、文化の違いを思いしらされました。
清塚さんは、一昔前では考えられないクラシックピアニストなのです。
ところでバンドの曲に戻りますが、バイオリンの素敵な曲がありドライブの曲にはもってこいと思ったので、CD「SEEDINNG」を購入することにしました。
彼の才能はピアノ再現芸術にとどまらず、完全にブレイクしました。
そして、今生きている時代をかなり意識し始めました。
そして、あまり演奏家は作曲しないクラシックの世界で、しかもオリジナリティを自らに課せて創作活動をされています。
音楽を楽しんでいらっしゃいます。
聴衆の魂を揺さぶるピアノが弾ける清塚さん、どれだけ才能あふれる方でしょう。
その類まれな耳の良さとリズム感で、芸人さんの話芸の間さえも分析できるのですね。
今後一流の芸人さん、タレントさん、俳優さん、ミュージシャンが清塚さんに
注目していくこと間違いないですね。
新たな唯一無二の音楽が生まれることを期待します。
最後に、良ければ私の様なシニア用に癒しの曲を作曲してほしいなと、
願いを込めて記事を締めくくります。( ´∀` )
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